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AUTHOR：William Gilpin

ウィリアム・ギルピンが1770年夏に行ったワイ川と南ウェールズ地方の旅行をもとに、風景の「ピクチャレスク（絵画的美）」という美学概念を通して綴った古典的紀行文学。本書は1792年に刊行された第三版（Third Edition）。17枚収録された図版、美麗な総革装丁、金箔の背装飾、見返しには華やかなマーブル紙、そして2点の蔵書票が貼付された、由緒ある一冊。

■『Observations on the River Wye』(初版刊行年：1782年)
ギルピンによる画期的な紀行文学である本書は。1770年夏、イングランドとウェールズを流れるワイ川流域を旅した記録をもとに執筆され、1782年に初版が刊行された。ギルピンはただの旅人ではなく、風景を「構図」「陰影」「対比」といった視覚的・芸術的要素で捉え、まるで自然を一幅の風景画のように読み解く眼差しを持っていた。本書では、ティンターン修道院をはじめとする遺跡や自然景観を絵画的視点から細やかに描写しており、18世紀のイギリスにおける風景美学の礎となった。ピクチャレスクという美的感覚がいかにして形成されたかを知る上で、本書は欠かすことのできない古典であると同時に、視覚文化やツーリズム史の貴重な資料でもある。

■William Gilpin(1724–1804)
ウィリアム・ギルピンは、18世紀イギリスの牧師、教育者、そして「ピクチャレスク（絵のように美しい）」という美学概念の先駆者として知られる作家である。1724年にカンブリア州で生まれ、長年にわたりイングランド南部の教区牧師を務めるかたわら、自然風景と芸術の関係に深い関心を持ち、絵画的視点からの風景観賞という独自のアプローチを築いた。特に旅行記とスケッチを組み合わせた著作は、美術批評と紀行文を融合させた独特のジャンルを確立し、後のロマン主義や風景画にも多大な影響を与えた。代表作『Observations on the River Wye』（1782年初版）は、その思想を体現した記念碑的作品であり、ナショナル・ツアリズムの原型としても位置づけられる。

■COLOR(spine)
Cover：‐
Main body：Brown

■SIZE （the largest part）
Height ：22.0cm
Wide ：2.5cm
Depth ：15.0cm

■OTHERS
Third edition, full eighteenth-century calf binding with gilt title and gilt ruled cover, 17 sepia colour full-page plates, VERY GOOD COPY
Publisher：R. Blamire（London）,1792
Binding：Hardcover(Leather)
Language：English
Pages：xvi, 152pp.

■CONDITION
Jacket : ‐
Cloth : イタミ少々有
Binding : 良好
Edges : ヤケ有
Pages : シミ・ヤケ有
Text : 良好
Others : ‐

＜Contact Number：RL139＞（Management Number：250630）(Category：紀行文学・美学（ピクチャレスク）)

【 EVALUATION：B 】
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